その後、赤屍が警察に男を運んだ為、男の悪事は世間に露見した。もちろん、依頼主の娘も無事に家に帰る事が出来、奪還完了となったわけだ。


「本当、今回は助かっちゃったわ。」

「ったく、どうしておめぇの持ってくる仕事は、こうも面倒なのばっかなんだよ!」

「まぁまぁ、いーじゃないの。ちゃんと奪還成功したわけだしvところで、銀ちゃんはどうしたの?」


もう一人の奪還屋の姿が見えず、ヘブンは尋ねた。


「赤屍に報酬払うんだと。」

「ええ!報酬って、銀ちゃん。赤屍に仕事頼んだの?」

「色々あったんだっつーの。」


説明する気にもなれなくて、蛮はカウンターに突っ伏した。


−ったく、何を渡すつもりなんだか。


一体、どんな報酬を払うつもりなのか、蛮は考えかけて、思考を閉ざす。どう考えてみてもそれは、ろくでもないモノような気がした。



一方、銀次は赤屍と公園で待ち合わせていた。


「どうしても渡さないとダメですか?」

「誰のお陰で依頼が成功したんでしょうかねぇ?」


赤屍にしては珍しく感情の篭もった笑顔を向けられ、世界中の不幸を背負った顔付きで銀次は茶封筒を差し出した。


「確かに……。では、またの依頼をお待ちしていますよ。銀次くんv。」

「もう二度と頼みません!」


タレながらも、きっぱりと言い切った銀次は、これ以上関わってはならないと脱兎の如く公園を後にした。


「やはり、面白い方だ。」


去っていく銀次の後ろ姿に、クスクスと笑みを零し、赤屍は今回の報酬に目をやった。


「さすが、銀次くんですね。ぬかりはない。」


手の中に納められた四角い世界には、あの日の女装した蛮の姿があった。

そう、赤屍が今回報酬として要求したのは、『蛮の女装写真』だったのだ。




その後、無断で写真を撮った挙げ句報酬として赤屍に渡していた事がバレた銀次が、スネークバイトを食らって、数日生死を彷徨ったのは言うまでもない。







【あとがき】

キリ番ハンター神成様。60000HITおめでとうございます。

『女装の蛮ちゃんで奪還話』という事だったのですが、何か女装とか奪還とかあまり生かせてなかったような気が…;

しかも、オリジナルキャラだの赤屍さんだの銀蛮以外が出張ったりして、こんなんで大丈夫でしょうか?

リクエストありがとうございました。少しでも気に入ってくだされば幸いです。





ありがとうございます。えへっ。ばらしちゃいますとね、ホントは違うものをリクしようと思っていたんですよ。なのに、キリリクのメールを書こうとしたらですね、頭の中にぱっと今回のリクがひらめいて、「あ、これをリクにしなきゃ!」って思ったんですよ。きっと、6万HITのネタを考えていたgoto様からテレパシーが飛んで来たに違いない! 色っぽい女装蛮ちゃん、ありがとうございました。









次へ      戻るback