笑顔が、咲いた 〜笑顔の行方 番外編〜 期待混じりの不安に、胸が高鳴る。 目の見えない俺を気遣って、優しく包み込む様に触れる掌。 温もりを伝えるだけの優しい口付け。 「脱がせてあげる。」 「いいって。これぐらい出来る。」 「いいから。蛮ちゃんは今、目が見えないんだよ?」 シャツのボタンに伸びた手を振り払おうとして、逆に振り払われてしまった。 そして、外されてゆくボタン。 「ここ、勃ってきてる…。」 濃密な口付けによって、ゆるゆると勃ち上がってきていたそこを指摘され、カァッと顔が熱くなった。
「蛮ちゃんの舐めさせて、ね。」 「ぎんっ……んぁ……あぁ……っ。」 ふいに性器が生暖かいものに包まれた。 「あぁ、んっ………あ、ッ……んぁ……ひ、あっ………。」 未だ口腔に俺の性器を銜えいるままに、銀次は滴った唾液を纏わせた指を秘部に突き入れた。
「ひぃ、イ………っ……あっ、あぁ……あっ……。」 それでも唾液の力を借りて、指はグイグイとその身を滑り込ませた。
「あっ、あっ……んっ…………いぃ、ン……っ。」 沸き上がる刺激に、体は快感にのたうつ。
「んっ、ぁ………あぁ……ン、ァ……ぎん、じっ。」 視覚を断たれているせいだろうか?
滲み出た体液が、送り込んだ唾液と絡み合う卑猥な音。
「蛮ちゃん…。見えないと、感じるの?」 締め上げられた指先で、俺が感じているのを悟り、銀次がからかうように笑った。
「んん……っ…ぁ、くぅ………ン。」 突如、襲われる喪失感。
「どうして欲しい?蛮ちゃん。」 わざと吐息を吐き出しながら、銀次が問う。 「………やっ……ぎんっ……じ。」 責めるように名を呼んでも、銀次は動く気配を見せない。
「どうしたの?蛮ちゃん。腰が揺れてる。汁も零れそうだね。」 「……っ。言う、なっ。」 「あっ。自分でイったりするの、ナシだからね。」 焦れて動き出した俺の手首を、銀次は掴んでしまった。 「離せ。もう……。」 疼いて、疼いて堪らなかった。 何の愛撫もされていないのに、視覚を奪われ、聴覚を刺激され、突き刺さる視線に、産毛が逆立つ。 高まった興奮が強い刺激を求めてる。 「蛮ちゃん。欲しい?」 雄の色香を滲ませた声は、俺の望みを的確に言葉にしていた。
「欲しい……。銀次。」 思わず零れた本音に、銀次の気配が大きく揺らいだ。 「ぎん……。」 「蛮ちゃん。反則だよ。そんなの…。」 気が付くと、俺は銀次の腕の中に抱き締められていた。
腕の中で身じろぎをし、俺は手探りしながら、銀次と向かい合う形でその上に跨った。 「ば、蛮ちゃんっ。」 「欲しいっつったろ?」 自身の重さを借り、張り詰めたそれに手を添えて、ゆっくりと銀次を飲み込んでいく。 「あっ……ん、ぁ……あーっ、ぁ。」 聴覚と触覚が研ぎ澄まされている。
「入れただけなのに、こんなに締め付けちゃって…。」 「っるせ。ひぃ……あぁっ。」 グッと下から突き上げられて、背筋を一気に電流が走り抜けた。
「あぁ、ん………ぅ……ぁ………っ…ン。」 張り詰めた先端が肉襞を掻き分けて、擦り上げ、奥を突く。
「蛮ちゃん。すごい、よっ……。いつもより感じてるね。」 「んっ……あぁ………銀次っ……あぅ……あっ。」 突如、胸の飾りを生暖かいものが襲う。
「いっ……あぁ、あー………ぁ…っ………アァ、…んっ。」 堪らずに、銀次を締め上げた。 それでも、突き上げる衝撃は怯まずに、加速するばかり。 俺の性器も限界に近かった。
「…あっ……ぎん、じっ……あぁ、んっ…ぁ。」 「蛮ちゃんっ…蛮ちゃん…。」 胸を襲っていたものに、今度は唇を奪われた。
「あぁ……いっ……もっ、だめっ……ああっ…イくぅ…。」 「蛮ちゃん。俺もっ。」 「あああぁーー……ぎんっ…。」 真っ暗だった視界が、急に白に変わった。 堕ちてゆくのだと思いながら、俺は大輪の笑顔を思い描いた。 「…んっ。」 昨日まで色のなかった世界に、ぼんやりと色が付き始めた。
「早く起きろよ。」 アホ面下げて寝ている銀次の鼻を摘んでやった。
「はよ。」 しっかりとその寝惚けたままの瞳に向かって言ってやる。 「あっ。蛮ちゃん…。」 何かに気付いたようで、鳶色の瞳が丸くなった。 それから、ゆっくりと表情が崩れていく。 「おはよう。蛮ちゃん。」 ほら、笑顔が咲いた。 【あとがき】 42000HITキリリクで書いた『笑顔の行方』の端折ったエロ部分です。せっかくの『目隠しプレイ』(ちょっと違うけど;)が勿体なくて書きました。 キリリク自体とは関係が無いのに、番外編と言う事と、キリバン踏みまくった事で、頂いてしまいました。
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