『07 下も、触って…』 → 銀次×蛮


ホンキートンクでの皿洗いとか皿洗いとか皿洗いで貯めた俺の全財産で、小さなケーキと安いワイン、おつまみを買って、安アパートでお祝いをした。
本当はみんなでパーティしようって夏実ちゃんが言ってくれたんだけど、他人が祝われるのはいいのに、自分が祝われるのは苦手みいたいで蛮ちゃんは断っちゃった。

だから、二人きりの誕生会。


「蛮ちゃんは、プレゼントなんかいらないって言ってたけど…。」

俺は紙袋を蛮ちゃんに手渡した。

「…って、何だこれ?」

紙袋を逆さにひっくり返すと、バサバサと勢い良く音を立てて、コンドームとローションの山が蛮ちゃんの前に出来上がった。

「まさか、これがプレゼントって言うんじゃねぇだろうな?」
「プレゼントないのってやっぱり寂しいなって思ってさ。でも、何あげていいかわからなくて、それで、俺だったら『蛮ちゃん』が欲しいって思ったんだ。だから蛮ちゃんには俺を貰ってもらおうと思ったんだけど。せっかく、お金も余ってるからと思って……。だ、駄目かな?やっぱり。」

一気にそこまで捲し立てると、ご機嫌を伺うように蛮ちゃんを見た。
やっぱり、呆れたように俺とコンドームの山を眺めてたかと思ったら、急にお腹を抱えだした。苦しいんじゃなくて、笑ってるみたい。

「バカだバカだと思ったら、ここまでバカだとはなぁ。」
「だって、他に思い浮かばなかったし…。でもさ。これだけあれば、一年くらいは持つよ。」
「だから、お前はバカだっつーんだよ。」

伸びた白い手。殴られると思って、反射的に目を瞑ってしまった。
けれど、その手は俺の後頭部を引き寄せる為のもので、唇には柔らかな感触。

「一年どころか、一ヶ月ももたねぇよ。」

優しく微笑むその表情は、妖しさと美しさと優しさを含んだ俺が一番好きなものだった。
離れていく唇を追うように、俺も蛮ちゃんに口付けた。

「俺を貰って。」
「嫁に行くみてぇだな。」
「俺じゃ不満?」
「いんや、お前じゃねぇと駄目。」

額と額を合わせて、視線を絡め、重ねられていく唇。

「お誕生日おめでとう。」
「何回言やぁ、気が済むんだよ。」

キスの合間に囁いたら、蛮ちゃんはそんな風な言い方をしたけれど、瞳は優しく笑ってた。

「……ぁ……ぎ、んじ……っ…あっ……。」

今までにないくらい丁寧に、愛しい体を解いていく。
指先に口付けて、その付け根を吸い上げる。舌で撫で、唇が口付けを刻み、手首から二の腕、首筋へと美しいラインを辿る。
蛮ちゃんが弱い項のラインをわざと避けるように唇は掠めて、くっきりと浮かぶ鎖骨に甘く歯を立てた。

「んっ……ぁ……っ……。」

まだ立ち上がってもいない胸の突起を、外側からじわりと舌で円を描く。中央の果実には触れてはやらない。
それは、片方の胸を弄る指先も同じで、クルクルと周りをなぞっていくだけ。

「銀次っ……。」

焦れた声は、決定的な刺激を与えられていないのに、熱っぽくて、濡れたように切なく見上げてくる瞳が、俺をゾクゾクさせた。

「焦っちゃ駄目だよ。今日は、蛮ちゃんの誕生日なんだから、うんと気持ち良くなってもらわなくちゃ…。」

笑ったつもりだったけど、蛮ちゃんにはどう映ったかな?

ゆるゆると胸への愛撫を続けながら、脇腹に口付け、内股へと辿り着く。膝裏を掴んで左右に割り開いたら、真ん中ではちゃんとソレが反応を見せていた。

「なんだ。ちゃんと感じてるんじゃん。蛮ちゃん。」
「……っ。」

カァっと赤くなっている蛮ちゃん。かわいいなぁ。

太股の付け根の柔らかな部分に舌を這わせ、ちゅっちゅっとついばむような口付けを与える。じんわりと先端を濡らして、ソレも震えていた。

「折角だから、使わないとね。」

ローションで入口を濡らした後、キャップを外し、キャップのしてあった細い筒状の部分を秘部に突き挿した。

「ああぁ……っ。」

ボトルの真ん中をグッと強く押してやれば、ゴボゴボとローションが蛮ちゃんの中に注ぐ込まれていく。
緩やかな愛撫に慣れた体にそれは、刺激が強かったみたい。三分の一ほど注いで、それを引き抜くと、秘部からタラリと蜜のように零れてた。

「すごい、イヤらしい…。」

うっとりと微笑んで、緩く立ち上がった突起にキスをした。舌先が突いて、唇で挟んで甘く噛む。同時にもう一方も人差し指と親指とで摘んで強弱をつけて揉んだ。

「あっ……んぁ……あっ、あっ……ぁ…。」

なのに、肝心の部分には触れてやらない。
すっかり前を大きくさせて、下の口はさっきから物欲しそうにパクパクさせてるのに。

「あぁ……銀次ぃ……下も、触って…っ。」

耐えきれずに、蛮ちゃんは切なく喘いだ。

「うん。よく我慢したね。蛮ちゃん。」

愛しいソレにキスをしてから、口に含んだ。そして、ローションでぐしょぐしょになっている秘部にも指を入れた。

「あ………あー、ぁ……。」

待ちこがれた刺激に、それだけでイってしまいそうな位、幸せな表情を浮かべた。
唇と舌とで上下に扱きながら、ソレを吸い上げて射精を促す。直ぐさま本数の増やされた指がローションを掻き回すように、内壁を引っ掻きながら奥へと前後に動く。

「あん、あっ……あぁ……っ………あっ……んぁ…。」

ジェットコースターが一気に傾斜を降りていくように、性急に高められた快楽に、蛮ちゃんはあられもなく喘いだ。
焦らされた分、刺激が何十倍にもなって体に押し寄せて、蛮ちゃんを乱していた。

「あっあぁ……ん、あっ……銀次っ。」

俺の口の中で蛮ちゃんは一回目の解放を迎えた。
はぁはぁと息を吐く蛮ちゃんに、精液をごくんと飲み干して、残酷とも幸福とも言える台詞を告げる。

「休んでる間はないよ。蛮ちゃん。」

蛮ちゃんに問う間も与えず、掻き乱された秘部に肉壁を押し退けて一気に貫いた。

「あぁっ……。」

腰がびくっと跳ねて、綺麗なカーブを描いて喉が反る。押し退けようとしていた肉壁は、今はもう、俺を優しく包み込んでいる。

「ああぁ……銀次ぃ……ぁ……ぎん、じ……っあぁ、ん…。」
「蛮ちゃん。蛮ちゃん……。」

愛撫で焦らしてたのが嘘みたいに、徹底的に蛮ちゃんの弱い部分を攻め立てた。抉るように貫くように、腰を打ち付ける。
その度に蛮ちゃんは俺を締め付け、綺麗な瞳で幸せに喘ぐんだ。


幸せ過ぎて涙が出そう。
蛮ちゃんの産まれた日に、こうして一緒に祝える事が何よりも嬉しくて。

ねぇ。蛮ちゃん。
蛮ちゃんも、そう思ってる?だから、プレゼントはいらないって言ったの?
そう思ってしまうのは、都合良すぎるかな?


「銀次っ……イイ……っ……あっ……ぁ……イくぅ。」
「蛮ちゃ…んっ……。」


意識を飛ばした蛮ちゃんにそれを聞くことは出来なかった。
だけど、これで終わりじゃないから。まだまだ、プレゼントは残ってるからねv


【あとがき】 コンドーム使ってないじゃん;多分、いつまでたっても聞けないと思う。

フリーなので頂いて参りました。goto様、ありがとうございます。珍しいかなと思って銀×蛮です。(やっぱこれですよ)焔


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