『蛮ちゃん、見て見て!』
と勢いよく俺は、蛮ちゃんの所に駆けていく。
*サクラ*
びっくりした表情で俺を見る蛮ちゃんに、俺はあるモノを見せた。
『ジャーン!凄いでしょ!』
『何が?』
『えっ?桜だよぅ。綺麗に咲いていてね』
『まさかと思うが、枝折ってきたとか…』
『違うよ。見てたら、おじさんが一枝くれたんだ』
『ふーん。で、どこに桜の花があるんだ?』
『えっ?ここに……あれ?ない!なくなってるぅ!?なんでぇ?』
『…そりゃあ、走ってきたんなら、風で散るだろうよ』
『そんなぁ…。折角、蛮ちゃんに見せようと思ったのに…』
『まぁ、そんなに落ち込むなよ。また、見に行けばいいだろ』
『そうだけど……今、見てほしかったのに……。ゴメンね、蛮ちゃん』
『別にいいよ。また見に行こうな、桜』
『うん。そうだね』
『酒にツマミ持って…』
『いつ行く?』
『まだ、先だな。花見は、夜桜と月が付きものだからな』
『月見桜かぁ…。いいねvv』
『だろvv来週辺りに…』
『でも…、今見たいから…』
『へ?』
『サクラだよvv』
『今って、アパートの近くにはないぞ…桜』
『あるよ…、すぐ近くに…』
『そうだっけ?どこら辺にあったんだ、そんなとこ』
『目の前vv』
『目の前?…って、まさか…』
『サクラいっぱい咲かせてあげるね、蛮ちゃんvv』
『…やっぱり…、そうきたか…』
『期待してたんだぁ…、うれしいなvvでは、早速期待に応えないとねvv』
『ちょっ…、マジかよ…、…やっ…あっ、そこ…やばっ……あん…んっ……んあ…あっ…ああ…』
『いっぱい、咲かせてあげるねvv』
『ん…ふっ…んっ…あ…あ…っあん…んん…』
『銀次ぃ…、テメェコレどうしてくれんだ!』
『綺麗にいっぱい咲いたじゃん。サクラvv』
『……されば我は求め…訴えたり…』
『えっ、まさか…』
『喰らえ…その毒蛇の牙を以て…』
『うわぁ、蛮ちゃん、タンマ…。ごめんなさい』
けど、俺は彼処で見た桜の花よりも、蛮ちゃんに咲かせたサクラの方が何倍も綺麗だと思う。
おわり
katty様、より2000Hitフリー記念小説を頂きました。裏って程じゃないと思うんで、こちらにUPしました。(焔)
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