いたずら万歳 2


「えっと、それでは参加者全員揃ったようなので、何の仮装か紹介していただきましょう」

「先輩! まどかさんと士度さんがまだです」

「お二人は遅れるそうなので、進めて構わないと連絡きてます」

「そうだったんですか。じゃ、一番手はマスターから」

レナがカウンターの中の波児を振り返った。

「え? 俺からかい? 一応、フランケンシュタインをイメージしてみたんだが……」

波児の格好といえば、首にビス付きのトルク、Tシャツによれたジャケットだ。

「フランケンシュタインって波児にはそういうイメージなのね」

「そうだよ。そういうヘブンちゃんこそ、なんだい?」

「え? 私? そりゃ勿論、美の女神、ヴィーナスよ」

豊満な胸を見せつけるように胸をそらし、肩にかかった髪を優雅な仕草で払いのけた。

「流石だ、ヘブン」

「来栖柾さんは、何ですか?」

「俺は、一応、イエスキリストだ…」

白いトーガに髪をながし、無精髭。随分と体格の良いキリストだ。

「なかなか似合ってますよ」

「先輩は、ああいう人が好みなんですか」

「違うよぉ。レナちゃんは何?」

「わ、私は、ネ、ネコ娘です。先輩は?」

ネコ耳カチューシャにスカートの後ろには茶色の長い尻尾のレナ

「私は雪女でーす」

白い着物に雪模様の青い帯の夏実、

「二人とも、かわええで」

「ありがとう、笑師さん。笑師さんはミイラ男ですか?」

笑師の格好は、スーツ姿に頭や手を包帯でぐるぐる巻きにしている。目はサングラスで隠されていた。

「ちゃうで、わいは透明人間や」

「ああ、なる程」

「でも、後で取ってもええやろ?」

「あー、そのままじゃ乾杯もできませんね」

夏実の突っ込みに笑いが弾ける。

「そーなんや。このままじゃ、飲むのも食べるのもできまへん」

「えみやんのドジ」

相方の亜紋からも突っ込みがきた。

「で、あもやんは何や?」

「え? 俺? えっと…メイドさんです…」

ふりふりのペチコートのミニスカートをギュッと握り締め、恥ずかしそうにうつむきながら、亜紋は答えた。

「男にしとくの勿体無いよね」

「鏡はん、わいの相方にちょっかい出すの止めてくれます?」

亜紋と鏡の間に割り込む笑師。

「で、そっちは何?」

亜紋が首をのばすように覗き込んで聞いた。

鏡の格好は黒のスーツに赤いリボンタイだ。

「俺かい? 定番だけど、吸血鬼ドラキュラ公ってとこ」

「ヘルドラクルなら黒髪だと思いますがね」

「カツラ、嫌いなんだよ。ドクター。そっちこそ、何だい?」

「私は、執事です」

優雅に胸に手を当て、会釈する赤屍。

「どの辺が?」

銀次が止せばいいのに、わざわざ話し掛けた。

銀次をちろりと横目に見ると「ほら、執事でしょう?」と言いながら、その場でくるりと回転して見せた。

燕尾の服の裾がふわりと動きにつられて流れる。

「あ…た、確かにひつじさんですね」

たじろぎながら銀次はそうかえす。










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何とか打ち込みが終ったところまでUP。これで1/4ってところかな。すみません、長くなりそうです(汗)