いたずら万歳 3


「そう言う銀次君はなんですか?」と、赤屍。

「え? オレ? オレは悪魔メヒ…えっと、メヒト?」

「メフィストフェレス! それくれぇ、ちゃんと覚えろ!」

「ごめ…、蛮ちゃん」

「まあまあ、落ち着いて美堂君。君は何なのかな?」と、鏡。

「俺様は天使だ!」

えっへんとふんぞり返る蛮の見かけはあくまでも5、6歳の子供。

白い長いワンピースのような服を着ている。その背中には作りものの羽根まで着いていた。

「あんた、その仮装する為にだけ、子供になったワケ? ばっかみたい」

「ひ、卑弥呼ちゃん」

「うるせーよ。そんな事、どうでも良いだろうが。そういうてめぇは、なんつー格好だよ」

「見ての通り、魔女よ。定番でしょ」

卑弥呼の服は裾が幾重にも分かれた黒いミニスカートのワンピース。黒の先の折れた鍔広のとんがり帽子。足は黒い網タイツに黒のロングブーツ。

「なかなか似合っていますよ」

「わぁ、花月さん、凄い。なんですか? それ」

近づいてきた花月に夏実が聞けば、彼はにっこりと笑って返してきた。

「白拍子ですよ。変っていて良いかと思ったもので」

水干に緋袴。頭には烏帽子だ。一見すると神社の巫女さんのようにも見える。

「確かに、普通は思いつかぬな」

「ああ、流石花月」

彼の後ろから現れたのは似たような姿をした、筧十兵衛と雨流俊樹だ。

二人とも着物姿に袴という井出たちで、違いと言えば、十兵衛は眼帯に曲げを結ったカツラ付き、雨流の方は、鉢巻に自前の髪をポニーテールのように縛っている。

「俺は、柳生十兵衛だ」

「お、俺は宮本、武蔵で…」

二人が名乗ると笑い声が聞こえてきた。

「十兵衛ってば、名前までそのままじゃない」

「マクベス!」

笑い声と共に現れたのは、オーソドックスな西洋お化けだ。

いわゆる、シーツを頭から被っただけの、アレである。

どうやら西洋お化けの正体はマクベスのようだ。

その彼を追いかけて後から現れたのは巫女装束の朔羅だった。

「朔羅、似合うね」

「ら、雷帝、からかわないでください」

恥ずかしそうに赤くなる彼女に、暖かな笑が広がった。

「後は、遅れてきている士度さんとまどかさんだけですね」

夏実がそう言った途端、ドアが勢い良く開かれた。

「悪い、遅くなった」

「すみません。コンサートの打ち合わせが長引いてしまって」

入ってきたのは遅れてくる2人だ。

「丁度いいとこですね。まどかさんは、何の仮装ですか?」

まどかの服は、小さな赤い帽子を頭にちょこんと乗せ、刺繍入りのスカートの何処かの民族衣装のような服だ。形だけならオランダのあの服にも似ている。

「あ、赤ずきんです。ドイツの…。だったと思うのですが」

「ああ、メルヒェン街道のか。で、猿回しの、それは?」

蛮が士度のお尻にぶら下がった尻尾を指差した。

「ああ、俺は狼男ってとこで。って、お前蛇なのか〜!」

「おう、今更! お前らいっそ美女と野獣にすればよかったのによ」

蛮の突っ込みに、同意の叫びが多数上がる。

士度にもその自覚があったのか、ムッと顔を顰めたが照れ隠しの意味の方が強いようだった。

「はい、これで全員揃いました〜」

夏実の声に勢い良く皆が応える。

HAPPY HALLOWEEN!」

波児の音頭に皆が手に持ったグラスを掲げ声を上げた。

「かんぱ〜い!!」










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やっと3です。これで半分くらいカナ?