ふぁむふぁたる4





いい加減体力の限界、かな。

流石の俺様も、銀次の底無しの体力に付き合えるのは一月ってところか。

まして、受け入れる側では、使う体力や負担も大きくなる。ここに閉じ込められて、貪る様に抱かれて、既に三週間過ぎた。

毎日、気を失う迄苦痛と快楽を与えられ、狂いそうになる。

けど、まだ正気らしい。

けだるい躯は、既に腕を持ち上げるだけでも軋み、悲鳴をあげる。

このままじゃ、確実に『死』が待っていることだろう。

銀次は一体何を怖れているのだろうか?

何が恐いんだろう?

何かを怖れている、と言う事は判るのだが、肝心の『何か』が解らねぇ。

それに俺が係わっているらしい、という事は判るんだが。


なぁ、何が恐いんだ?

俺が俺として、居るだけじゃ、ダメなのか?

お前は俺に、どうしてほしいと望んでいるんだ?

そして、俺はどうしたいんだろうか?


鎖に繋がれ、閉じ込められて、同性である銀次に女みたいに犯されて─────

普通の奴なら、とうに正気を手放しているな。

なのに、なんで俺は平気なんだ?

俺は銀次を受け入れる事を拒まなかった。

逃げるつもりなら、俺の力をもってすれば簡単な事だ。

別に特別な枷や鎖じゃない。薬を盛られた訳でもない。

この感情は『愛』なのか? それは『好意』とどう違うのか?

こればかりは、俺の頭に詰まった知識の中に、答はない。

けれど、銀次がおかしくなった原因に『それ』が係わっていそうで、俺は必死に考える。

数少ない経験を記憶の奥底からほじくりかえし、比べて、検証する。

それでも、いや、それだけじゃ今俺が持つ感情が何なのか、答は出ない。

銀次。お前に、言ったら、何かつかめるだろうか?

俺が持つ、この感情を。

お前だけが、いつも傍に居てくれた。

お前だけが、安心をくれた。

いつも傍に居て欲しい。




お前だけが────必要なんだ、と。






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