ふぁむふぁたる5






「くっ‥‥うっ‥、あっ‥‥ああっ‥くうっ‥んっ」

大きく身をよじらせて蛮が達して精を吐く。

そして、そのままくたりとくずおれた。

蛮が達した時の強い締め付けに銀次も堪えきれず彼の中にたっぷりとその精を注ぎ込む。

気を失ったままの蛮は、その刺激にぴくりと身を震わせた。


銀次の頭の中では、昨日蛮が気を失うように眠る前に囁かれた言葉がこだましている。


────お前だけが、必要だ────


それが蛮の本心なのか、今だに銀次は信じきれない。

誰だって、そうだろう。

いきなり、連れて来られ、鎖に繋がれ閉じ込められた。

そして、同性である銀次に女のように犯された。

それでも、必要だ、なんて言えるのか?

ただ逃れたい一心で‥、というのなら、蛮ならもっと早くに実力行使で逃げ出す事は可能だったはず。

体力の限界になるまで待つ必要は無かったはずだ。

だったら、本心だと信じていいのかもしれない。

気を失い眠る蛮を、銀次は上から覗き込む。

「ん‥‥、ぎ‥ん、じ」

繋がったままの不自由な躯をよじり寝返りをうつと、蛮の手が何かを探すような仕草をした。それと同時に彼の寝言。

(オレを、探してるの?)

いつも蛮の左隣りに寝ている。てんとう虫のシートの位置と同じ。

だから、蛮が探る仕草をした側は彼から見て左側だ。


これは、蛮の本心なのかも知れない。

そう銀次にはそう思えた。

いつしか、それが確信へと変わってゆく。



手に入らない、と諦めていたモノが、実はとっくに自分のモノだった。


それは、とても甘い蜜。

銀次は、満たされた幸福感を噛み締めていた。







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